コロナ禍にあっての初めての夏。閉鎖となった千葉県内の海水浴場を取材しました。
夏真っ只中。夏のレジャーの定番といえば海ですが、今年は新型コロナの影響で、県内61の海水浴場が開設されず、駐車場自体を閉鎖する海岸も見られます。
毎年海水浴客で賑わう館山市の沖ノ島では、駐車場手前の道路から立ち入り禁止の看板を設置したものの、訪れる車は後を絶ちません。
11日も多くの車が引き返していく中、看板を無視して海岸に入る人もいて、市の職員は追加の張り紙や道を塞ぐためのロープを張るなどして防止策を講じました。
また、外房方面にある大網白里市の白里海岸では、駐車場の入り口で注意事項の書かれたチラシが配布されました。
海水浴場は閉鎖でも、海岸への立ち入りまでは制限されていません。
訪れた人はー
「混んでいるところに行くよりは、海で人はいるけど距離は取れているので大丈夫かな」
「波が高くて奥(沖)まで行ったら危ないので、手前だけで遊ぼうかなと」
「映画館はやっていたり旅行は行きましょうなのに、海だけ禁止というのはなんでかなと思う。一方でライフセーバーはいないので、そのあたりは自分たち気を付けなければ」
こうした中、館山市の見物海岸では8月9日、子どもらと一緒に遊びに来ていた都内在住の41歳の男性が、海に流され死亡する痛ましい事故が起きました。
この海岸は例年、海水浴場が開かれていないところで、千葉海上保安部によりますと、去年起きた県内の遊泳中の事故のうち、9割が遊泳禁止区域など、監視員がいない場所での事故だったということです。
千葉海上保安部や警察などは水難事故を防ごうと陸・海・空それぞれのパトロールを強化していますが、監視の目となるライフセーバーらの不在で、水難事故の増加が懸念されます。
日本ライフセービング協会 佐藤 洋二郎 さん
「海で注意していただきたいのが離岸流。離岸流は波打ち際に来た波がある1か所に集まり沖に向かっていく流れで、非常に強い潮の流れ。普段だったらライフセーバーが離岸流の近くで遊泳していると流されるまえに「危険だから一旦上がり安全なところで泳ごう」と直接声かけができるが、ことしはできないので怖い」
水難事故の要因となる離岸流。万一流されれたときは焦らずに波の流れに身をまかせて海岸に戻るか、海岸と平行に泳いで離岸流から抜け出す対策が有効とのことです。
コロナ禍で迎えた初めての夏。千葉海上保安部などは遊泳する際、子どもはもちろん大人も足の届く範囲に留まるほか、飲酒後の遊泳も絶対にしないよう呼びかけています。