旭市 飯岡漁港。
小型船がここで獲っているのは「シラウオ」。
生のものは“白いダイヤ”と呼ばれ、高級食材として料亭などで出されることの多い魚です。
五代目として漁業を営む伊藤さんはこの「シラウオ」に関して新たな挑戦をしています。
大納屋丸・飯岡ヤマイチ水産 伊藤友門さん
「ご家庭でもお刺身の鮮度で食べられるように作っています」
ここで水揚げされるのは日本の固有種「イシカワシラウオ」です。
「シラス」や、踊り食いなどで知られる「シロウオ」とよく似ていますが、実は全く別の魚。
また「シラス」はイワシなどの稚魚ですが、「シラウオ」はこの体長8センチほどの大きさで成魚となります。
日の出とともにスタートする漁では、船からロープと網を円形に落としていき、中に魚を追い込んで捕まえていきます。
その後、水揚げしたシラウオはすぐに釜茹で。
そして天日干しをします。
鮮度が落ちるのが早いシラウオを長く味わえるようにと考えられた、一般的な加工の形です。
大納屋丸・飯岡ヤマイチ水産 伊藤友門さん
「鮮度を落とさない努力をしています。船上で氷を使って締めたり、水揚げから加工までなるべく温度差を作らないようにしたり、釜茹でするまでは真水に通さないなど、鮮度保持をしています」
「作業的には大変だが、船の上から鮮度処理にこだわって生産・加工したほうが、大量生産はできないが『食べて美味しいもの』を作ることにこだわっています」
「鮮度」にこだわり「美味しいもの」を届けたいとする伊藤さん。
その思いで開発したのが、“手軽に生の美味しさを楽しめる「冷凍生シラウオ」“です。
過去に視察をした、生しらすの冷凍技術を応用して2年前に完成させました。
現在はインターネットでの販売も開始し、販路の拡大、シラウオの認知度向上に努めています。
大納屋丸・飯岡ヤマイチ水産 伊藤友門さん
「シラウオに関しては、飯岡で獲れたものを全国的に普及させたいと強く思っています」
「コロナ禍で外に出かけたりできない状況だと思うので、地域の飲食店協力しあって全国に配送や家庭で食べられる鮮度というものを共有して届けられれば漁業者もメリットがあるし、消費者も、より一層の鮮度で美味しいものが食べられる。そこを目指して日々努力と思っています」