館山市にある陸続きの島、沖ノ島。
現在ここでは、森の再生活動が行われています。
南房総国定公園内にある沖ノ島は、周囲1 km ほどの小さな島。
珊瑚を育む海に温暖帯の植物が生える森と、大変自然が豊かで観光名所としても知られていますが、去年9月の令和元年房総半島台風により、一夜にして大きく姿を変えました。
NPO法人たてやま・海辺の鑑定団 竹内 聖一 理事長
「ちょっと目を疑うような状況になっていて、森が目見当で30%ぐらいは倒れた感じですね。
一目見て分かったことは、“これは来年に治るはずがない”“すごく時間がかかるのは間違いないな”と」
こう話すのは、再生活動を指導する、『たてやま・海辺の鑑定団』の竹内さん。
『たてやま・海辺の鑑定団』は南房総の環境保全活動や自然体験プログラムなどを行っている NPO 法人で、長年沖ノ島の環境を見守っています。
台風が過ぎた直後から、定期的に倒木の整理などを実施していますが、島内にはまだ自然の脅威を感じる姿が残っています。
アスファルトの道は、地中の木の根とともに剥がされて、垂直に。
島の守り神として信仰されている神社は、大きく壊れることは逃れましたが、入口には雑草が生えています。
樹齢300年余りとされるご神木も倒れたままです。
NPO法人たてやま・海辺の鑑定団 竹内 聖一 理事長
時間をかけてでも以前のように青々と茂る森に戻したい。
そこで協力をお願いしたのが、森や里山などの環境調査・改善指導を行う『NPO 法人地球守』の高田さんです。
NPO法人 地球守 高田 宏臣 代表理事
「ずっと続いてきた環境がここまで壊滅的に変貌するのは、その土地自体がもう傷んでいるということが多いんです。このままにしていても、生えてくる草を見ると荒れ地の草もいっぱい生えている。本来の森の中にはなかった草が。
一方で、木の根元からまた新しい芽も育ってきている。森がちゃんと育つ環境に向かえば、木が伸びて、また森になるわけです」
たくさんの人が、沖ノ島の再生活動に、動き出します。ー後編へ続くー