レポート
2025.02.26

安房地域伝統の『房州節』 直面する後継者問題

 館山市にある吉田商店。創業から100年以上経つ老舗です。ここで作られているものとは・・・

吉田商店 四代目 吉田勇二 さん
「鯖節、鯖節、宗田節を作り、『房州節』というかたちで販売しています」
「房州節は安房地域で作ったものですが、うちでの作り方は生魚を仕入れ、頭と内臓を取り除いてから釜で茹で上げます。そして中骨を取った後、手火山式という方法で燻し、その後カビをつけて干してを繰り返します。脂が少ない魚は半年くらい、多い魚は2~3年かけて作ることになります」

 

後継者問題

 製造方法が伝わったとされる江戸時代からその技術を受け継いできた『房州節』ですが、今は後継者不足という問題に直面しています。

吉田商店 四代目 吉田勇二 さん
「昭和30年頃は50軒ほどあったが、いまでは7軒となってしまった」

後継者不足の原因としては、
・大変な仕事の割に利益が少ない
・製品化までに時間がかかるため材料費が高騰しても価格転嫁が難しく資金繰りに苦労すること
などが挙げられるそうです。

吉田商店 四代目 吉田勇二 さん
「業種転換した人や都会で就職した人など...。房州節づくりを継ぐメリットを感じられない人が多かったと思う」

 こうした状況を変えるには、安定して魚を仕入れられる仕組みなどが必要だということです。

吉田商店 四代目 吉田勇二 さん
「大手製造会社ではできない丁寧な仕事をして、付加価値をつけていくことが大切だと思う」
「どんな職人仕事も大変だと思うが、一度なくなってしまうと復活させるのは並み大抵のことではないので、なんとか繋げていきたい。」

\ 記事をシェアしよう /
X LINE ニュースを共有

関連リンク

漁場を守った先代漁師を弔う大仏追善供養 千葉県船橋市
レポート
2025.02.28

漁場を守った先代漁師を弔う大仏追善供養 千葉県船橋市

若き研究者が研究成果を発表!マリンチャレンジプログラム2024全国大会
レポート
2025.02.26

若き研究者が研究成果を発表!マリンチャレンジプログラム2024全国大会

ページ内トップへ