レポート
2024.04.15

【チバテレニュース特集】海の博物館 “アサクサノリ”の世界

 千葉県は全国順位10位となる海苔の産地です。風味が良く、味が濃いことが特徴で養殖の歴史は江戸時代にまでさかのぼることが出来ます。

 私たちの食卓に欠かせない海苔を紹介する展覧会を取材しました。

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 勝浦市にある、千葉県立中央博物館 分館 海の博物館では、5月6日まで『マリンサイエンスギャラリー アサクサノリ2-ノリの世界-』を開催しています。

 展覧会の概要を、房総半島沿岸に生育する海藻の種類と分布の特徴を調べていらっしゃる、主任上席研究員の菊池則雄さんに伺います。

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 菊池 則雄さん
「今回のマリンサイエンスギャラリーでは、乾海苔の代名詞で江戸時代から養殖されていながら、現在では絶滅危惧種となっている”アサクサノリ”という種類を中心に、海苔の生体・標本・ジオラマ・パネル等約230点の資料を展示して海苔という生き物を紹介している」

「海の博物館では17年前、アサクサノリをテーマに企画展示を実施したため、今回の展示は『アサクサノリ2』という名前がついている」

「今回の展示では、前回の展示以降明らかになった多くの知見を交えた海苔の最新情報を紹介している」

 

 さらに会場では、海の博物館オリジナルキャラクター「藻じゃ~ず」のノリノリンがわかりやすく展示を案内しています。

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4つのテーマで分かりやすく展示!”アサクサノリの今”ついて知ろう!

 会場は4つのテーマに沿って展示を行っています。

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 最初のテーマは<ノリの基礎知識>です。

 菊池則雄さん
「海苔は海藻の仲間なので、このコーナーでは海藻とはどのような生き物か、海苔がどのようなグループに属し、特徴を持っているのかというようなこと、海苔は不思議な生活を送っていることなど、海苔の基礎的なことを紹介している」

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 続いてのテーマは<海苔はいろいろ!>

 菊池 則雄さん
「海苔と一口に言っても世界で150種類以上、日本だけでも31種類ある」

「今でも新種の発見が続いていて、2021年には千葉県と山口県で“センジュアマノリ”という新種が発見されている」
(※センジュアマノリは成長すると千手観音のように四方に手を広げたようになることから”センジュ”と名がつきました。東京都足立区の地名とは関係ありません。)

 

「海苔には雑種ができたり、姿形はそっくりだがDNAで見ると種類が違うくらい離れているようなものもある」

「今回はそのような海苔を生きたまま水槽で展示しているので、ぜひこの機会にご覧にご覧いただけたらと思う」

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 変わって今回の中心ともいえるテーマが<絶滅危惧種アサクサノリは、今>です。

 菊池 則雄さん
「乾海苔の代名詞となっているアサクサノリは江戸時代から養殖が始まっているが、現在では絶滅危惧種になってる」

「海の博物館では全国各地のアサクサノリの生育地を調査し、特徴や変化を研究している」

「さらにアサクサノリの生育地を守る活動も行っている」

「目につきにくい生きものは、ひっそり絶滅していくことがある」

「アサクサノリのように名前の通った生きものでも絶滅の危機に瀕していることを知っている人は少ないので、関心を持っていろいろ知ってもらえると嬉しい」

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 おしまいは<ノリ養殖の今>です。

 菊池 則雄さん
「千葉県の東京湾側では海苔の養殖が大変盛んだが、近年の海水温上昇や、魚や鳥が養殖した海苔を食べてしまうなど様々な問題が起きている」

「このコーナーでは具体的な問題点と、漁師や研究者が取り組んでいる対策について紹介している」

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 みなさんもこの展示を通して海苔についての知識を深め、絶滅を防ぐために私たちにできることを考えてみませんか?

 千葉県立中央博物館 分館 海の博物館『マリンサイエンスギャラリー アサクサノリ2-ノリの世界-』は、2024年5月6日(月)までの開催です。

(3月18日放送newsチバより)

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