磯の香り高い風味が口いっぱいに広がる、木更津金田産の“あま海苔”。
木更津市の金田漁業協同組合では、この海ならではの特徴を生かして海苔の養殖を行っています。
東京湾に広がる日本最大級の干潟、盤洲干潟。
砂地に挿した棒に海苔の種がついた網を張る「支柱柵」という養殖方法は、棒が刺せる干潟だからこそできる方法です。
金田漁業協同組合 実形博行 さん
「網を張って潮が引くと、お天道様に照らされて旨味成分が凝縮し、美味しい甘みの海苔ができます」
養殖は、網を張る10月頃から4月下旬まで繰り返し行われます。その中で、初物と言われるのが11月中旬の一番摘み。
ただ2020年の海苔は例年と違いました。
「収穫を始めるのが数十年ぶりに早かったんですよ。すばらしい海苔もできて、海苔養殖をやっている人みなさんホッとしている」
漁師さんたちがほっとしているのには、理由があります。
近年、地球温暖化による海水温の上昇や、異常に増えたクロダイによる食害などが原因で、海苔の不漁が続きました。
また、2019年の台風では、おびただしい数の流木が流れ着き、海苔養殖場にも入り込む被害がありました。
そして2020年は・・・。
金田漁業協同組合 齋藤隼人さん
「潮干狩りのシーズンと新型コロナウイルスの緊急事態宣言が、ゴールデンウィークと重なってしまったため、アサリとハマグリを持ち帰って頂こうと準備していたのですが、残念ながらほとんど獲られずに、海に返す形になってしまいました」
金田漁協が管理する、金田海岸潮干狩り場と金田みたて海岸潮干狩り場。
例年なら4月から7月中旬までの開催時期に約8万人が訪れますが、2020年の客足は10分の1以下の約7千人でした。
新型コロナの影響で大打撃を受けた金田漁協。
成長が良く、出荷量も多くなった“海苔”にかける期待が高まります。