一般社団法人 海のごちそう推進機構と株式会社釣りビジョンは、”魚をさばく”という日本古来の調理技法を次の世代へ継承するとともに、豊かで健全な海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げる取り組み「日本さばける塾 with 釣りビジョン」を3月14日(木)に開催し、2名の高校生が参加しました。
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
午前8時30分、横浜市のアイランドクルーズに集合した西村琴梨さんと吉田侑生さんはフィッシングボートに乗り込みクロダイを狙います。
釣りの指導をするのは、ソルトウォーターフィッシングの第一人者として知られるエキスパートアングラー高橋慶朗さん。
「クロダイは釣りの対象としてはとてもおもしろいので、今日は1日楽しみましょう」という高橋さんの号令で出発しました。
クロダイ釣りにチャレンジしたポイントは、アイランドクルーズから東京都よりの東京湾に流れ込む数多くの水路。約6時間の釣果はクロダイ2尾とキビレ1尾でした。
次に、釣りをした”海”自体を深く知るため、神奈川県真鶴町を拠点に海洋教育を手掛ける特定非営利活動法人ディスカバーブルー代表の水井涼太さんが東京湾の環境について説明しました。
水井さんは今の東京湾について、昔に比べて環境がよくなったため多様な生物が住みついていることや、捕れる魚が変化していることについて解説。
参加した高校生はー
「東京湾がきれいになっていることは知りませんでした」
「これからは今の状況を維持することが大切だと思います」
釣りを通して海を学び、高校生の意識は確実に変化しました。
釣った魚は関東を中心に店舗を展開する人気回転寿司店「すし銚子丸」の職人・田中政春さんが講師となりクロダイをさばいて握り寿司を作ります。
日頃から釣りを通して魚の扱いに慣れている西村さんと吉田さんは、田中さんのサポートを受けながら器用にクロダイを三枚におろして丁寧にすしネタ用に切りつけます。
握り寿司は田中さんにコツを教えてもらいながら形よく仕上げました。
参加した高校生はー
「クロダイをさばくのは初めて。釣るだけで終わりではなく、さばいて美味しく食べるまでが釣りなんだなと感じました」
釣りを通して海の変化と命の大切さを実感することができました。