ライフセービング競技で世界大会連覇を達成した選手を取材しました。
今年、フランスで行われた「ISA ワールドSUP&パドルボード選手権」。世界から集まった選手がライフセービング競技でしのぎを削りました。
パドルボード ロングディスタンスの部で、去年に続いて優勝を果たしたのは、館山サーフクラブ所属の堀部結里花選手です。
堀部選手
「自分の力を出し切れて金メダルが取れたのですごく嬉しい」
「(パドルボードは)ボードの上にうつ伏せになって手で水を押して前に進む」
「ボードはサーフボードより浮力があり、12フィート(約3.7メートル)と身長よりも長く海の上を前に進むのに特化して作られたボード」
「ライフセービングを大学生になってから始めてレスキューボードにまず出会い、より早く進む感覚に魅力を感じてやっている」
「今年は連覇がかかっていたのと、自己負担での遠征だったので、クラウドファンディングをした」
「そのため、結果で恩返しをしたいという気持ちが増してプレッシャーのかかる中だったがしっかり自分の力を出し切り、後続の選手を離して勇気のいるレースだったが逃げ切って勝つことができた」
「こうして結果が出せたことは素直に嬉しかった」
「その後もライフセービングを知ってもらえるように “パドルボードはライフセービングのボードのもあって” という話をみんなにしていきたいと思った」
ライフセービングとは、水辺の事故をなくすことが目的の活動で、この日は館山市内のプールで館山サーフクラブの小・中学生にレスキューの指導を行っていました。
堀部選手
「(館山サーフクラブ)は夏の海水浴場が開かれるときにはライフセーバーとして監視活動もしている」
「まずは楽しむことを大切にしている。自分が楽しくてやっていたことがいつの間にか人のためになっているのは素敵なことだと思う」
「『今日はこんなことが面白かった・印象に残っている』と思って帰ってもらいたい、という方針でやっている」
堀部選手は同じく選手である夫と共に、競技や指導に加え、子育てにも追われる日々を送ります。
堀部選手
「自分が競技をやっていなければもっと娘との時間が増えると思うと申し訳ない気持ちもある」
「だが、『自分らしい自分のままこの子の母親でありたい、私らしい私でママでありたい』という気持ち」
「決して自分一人だけでは出来なくて、夫と交代で娘の面倒を見たり、練習に参加してくれる子の保護者・先輩ママさんたちに娘の面倒を見てもらったりしている」
「私も夫も、練習できる恵まれた環境にいるので本当にありがとうという気持ち」
自分に子どもが生まれたことで、海水浴場で子どもから目を離さないようにしてほしいと、より思うようになったと言います。
堀部選手
「海水浴に行って、お母さん・お父さんは海の家にいて子どもたちを海で遊ばせている方が意外と多い」
「『砂浜にいるから大丈夫だろう』と思っているといつの間にか海に入ってしまっていたり、まだ浅いと思っていた所がいきなり深くなっていたり、海の地形は簡単ではなく入ってみないとわからない」
「砂浜にいても迷子になってしまうと、砂浜だけでなく海の中も捜索しないといけないなど大変」
「海では、一緒にお子さんと手を取って遊んでほしい」
この日の翌週にも世界大会のため、ドイツへ出発した堀部選手。
今後の目標は?
堀部選手
「海で楽しく安全に遊ぶ方法をより多くの人に知ってほしい」
「そのためにいまは体が動くのでライフセービングスポーツで成績を残して、少しでもメディアに取り上げてもらい、ライフセービングという言葉を広めたい」
「日本では海に囲まれていても知る機会が少ないと思うので、そういった機会を増やしていきたい」
橋本 良亮(モーニングこんぱす・金曜メインパーソナリティ)
「パドリングで競うって相当きついですよね」
尾﨑 大晟 アナウンサー
「肩の力も要りますし、体感バランスも必要ですよね」
橋本 良亮(モーニングこんぱす・金曜メインパーソナリティ)
「多分僕だったら20秒くらいで肩が痛くなって、腕もパンパンになってしまいます・・・」
尾﨑 大晟 アナウンサー
「人の命を守るため、安全に海を楽しんでもらうために、という思いでやられているんでしょうね」
門池 舞 アナウンサー
「そして先月、ドイツで行われたインターナショナルジャーマンカップに出場した堀部選手は、総合順位が88人中19位と、健闘しました」
「しかし競技場、堀部選手はInstagramに『結果は全然ダメだった。しっかり分析して来年のライフセービング世界選手権で、今回の分も結果を残します』と、綴っていました」
「ぜひ、今後も頑張ってほしいですね」
(モーニングこんぱす 2023年12月1日放送分より)