東京湾に広がる干潟「三番瀬」。ここを中心にフィールドワークを行う若き研究者がいます。
”干潟の生き物”に熱中している、小学6年生の中村蒼太さん。
中村蒼太さん
「ここに来たきっかけはヤドカリが見てみたいなと思ってきたのがきっかけです」
「ヤドカリは見つけた日にたくさん持って帰って飼いました」
このヤドカリをきっかけに、干潟の生き物を飼いはじめた中村さん。
その興味は研究へと進化していきます。
中村蒼太さん
「生き物の研究や溶存酸素量(水中に溶けている酸素の量)の研究をしました。自分で本を読んで調べたり、実際にいろいろ飼ったりして気づいた中でやってみたいと思ったことをやりました」
中村さんは一匹一匹、えさの大きさを好みに合わせて買えるなど愛情をこめて飼育。その中で続けた研究は、数々の賞を受賞しています。
こうした研究の手助けとなったのは、「ふなばし三番瀬環境学習館」です。
ここで実施されている「ラボメン・プロジェクト」では、子どもたちの好奇心を自主的な学びへと繋げる支援を行っています。
ふなばし三番瀬環境学習館 小澤鷹弥さん
「中村さんの一番はじめの頃の印象は、”よく来る子だなぁ”というのが印象深かった」
「研究の着眼点が、生き物を飼っている人ならではの着眼点になっているのが本当にすごくて、生き物への愛情を持って接しているからこそ気が付けるところ。そういった飼育そのものへの愛情を強く感じる場面が多かったです」
そんな中村さんの研究は、今年度、海と日本のプロジェクトの「第4回 海洋インフォグラフィックコンテスト」にも発表されました。
コンテストに出場した中村さんは「話を聞いてもらった人たちに色々興味を持ってもらえて、楽しかったといってくれたことがうれしかったです」と語っていました。
干潟の生き物を守ることを呼びかけた中村さんの発表は、研究レポートのイラストや溶存酸素量のデータなどが評価され、FURUNO賞を受賞しました。
中村蒼太さん
「干潟の生き物がかわいいのと、いろいろな問題が起きていることを実感してもらって、そこからいろんな人たちが干潟に興味を持ってくれるといいなと思っています」
中村さんは今後も干潟の生き物の研究を続けていくとのこと。
愛が詰まった中村さんの研究に今後も注目です!