夏休みシーズンに入り、多くの人が海水浴を楽しむ中、海上保安庁などは、溺れた原因の3割に上る「離岸流」に注意するよう呼びかけています。
千葉県勝浦市の守谷海水浴場は、7月23日も朝から多くの家族連れなどで賑わっていましたが、この時期、注意が必要なのが海の事故です。
県内では7月12日、鴨川市の海岸で中学生が沖合に流され、死亡する事故が発生しました。
日本ライフセービング協会によりますと、去年、全国の海水浴場で救助された人は412人で、溺れた原因の約3割が離岸流でした。
勝浦市のライフセーバーは-
「波打ち際に波が来ると、その波の力が帰ろうとする。その沖に帰ろうとする力が海底に溝があったりすると、そこに集まって強く沖に向かって流れてしまう」
離岸流を再現した実験では、海に投入した染料の一部が沖合へ引き戻されていくのが確認できます。
離岸流のスピードは秒速2メートルに上り、オリンピック選手でもこれに逆らって泳ぐのは不可能といわれています。
岩場や堤防近くなどの入り組んだ地形で発生しやすいとされる離岸流ですが、実際に海岸にいて目で見て見分けるのは困難だといわれています。
海上保安庁 第3管区海上保安本部 屋比久 寛樹さん
「我々も航空機とかで見た場合にここが離岸流だなと分かるが、なかなかビーチで泳いでる状態でこれが離岸流だというのは難しい」
もし、離岸流に巻き込まれた場合は、どうすればいいのでしょうか。
海上保安庁 第3管区海上保安本部 屋比久 寛樹さん
「無理に陸に向かって泳ごうとせず、海岸と平行になって離岸流を避けて脱出するという方法がある」
「風が強いときや、泳ぎに自信がない場合は、自分が最も楽な姿勢で浮いて救助を待つことが有効」
そして、安全に海水浴を楽しむには、
勝浦市のライフセーバ―は-
「私たちも海を熟知していますので、海に遊びに来た際は、”きょうの海の状況どうですか” など私たちに聞いてもらえれば、”きょうはここで気を付けてください” などと教えて対応できると思う。あと、お酒を飲んだら海に入らないなど、そういったことを守ってもらえればいい」