いま起きている海の異変「磯焼け」。
「磯焼け」は海藻の群落である藻場(もば)が長期的に消失することを言います。これにはいくつか原因があり、千葉県による調査では食害や台風による藻場の消失が確認されています。
千葉県農林水産部水産局漁業資源課 荒井雄大 さん
「藻場は稚魚の生息場所であり、アワビやイセエビなどの水産動植物の漁場としても重要な場所なので、藻場が消失してしまうと資源の減少や成長不良が起こり、漁業生産に大きな影響があると考えられる」
千葉県が平成29年に実施した内房海域の調査では、藻場の約57%が消失していることを確認。その範囲は拡大傾向にあります。
現在では、行政、研究機関、漁業者などが連携して磯焼け対策に取り組んでいます。
千葉県農林水産部水産局漁業資源課 荒井雄大 さん
「内房の海域では7つの漁協が対策チームに入っている。そのそれぞれの地先で食害生物の駆除やモニタリング、海藻の胞子の供給するための取り組みを行っている」
「理想は内房海域全体の藻場を再生することだが、様々な要因が複合的に影響し簡単ではないと考えている。そうした中で、現在残っている藻場の保全や小規模でも再生した事例を作っていくことを当面の目標。各地区で磯焼けの原因や実施体制が異なるが、できることから取り組みを続けていくことを理想として考えている」