「(海には)まだまだたくさんわからないこともあって、謎と不思議の詰まった宝箱」です。
こう話すのは、千葉県立中央博物館で哺乳類学を研究している宮川尚子さんです。
宮川さんは哺乳類のうち「くじら」を研究されていますが、「くじらの骨盤」を特に研究しています。「くじらはもともと陸にいた生き物が海に戻っていき、今のような形になりました。その時に4本足で歩いていた生き物が魚のような形に変わって、その時に後ろ足が退化して無くなってしまいました。そして退化した骨盤というのがまだ残っています。(写真のような)ポツンとある小さな骨がくじらの進化を物語っている」ということです。
最近の海に対する危機感についてもお伺いしました。
「海洋温度が変化している。またゴミの量が増えていて、カメや海に生息する生き物がそういったごみを食べてしまっている。こういった状況に危機感を覚えています。そういった海を皆が守るようになれば・・・」と話されていました。
海や海洋生物等について一生懸命研究されている一方でそういった海の現状を目の当たりにすることの多い宮川さん。
海は決して他人事のものではなく、生活者にも関わる重要な存在。そういった海を皆で守り、より良い海とともに共存していける社会を実現していけると良いですね。