レポート
2025.03.14

黒潮大蛇行 水産のまち勝浦に異変!?

 古くから漁業で栄えてきた港町、勝浦。沿岸ではアワビやイセエビ、沖合ではカツオやキンメダイなどが獲れます。

 この豊かな海で近年異変が起きています。

黒潮の大蛇行

千葉県勝浦水産事務所 改良普及課 庄司紀彦さん
「昔にくらべ黒潮の影響を受けやすくなり、海水温が上がり獲れるものが変わってきている。西や南の方にいたハタや海藻を食べるブダイ・ニザダイなど、以前はたまに見る程度の魚が、いまは毎日網にかかるような状況が続いている」

 黒潮の大蛇行と海水温の上昇により、魚が獲れる場所や時期が変わり漁業に影響を及ぼしています。また、海藻を食べるブダイ・アイゴ・イスズミなどが増えたことにより一部では藻場が消失する”磯焼け”起こり、同じく海藻を食べるアワビも痩せてしまっているそうです。

豊かな海を守る対策

 この対策としてブダイなどの積極的な水揚げをおこなっています。

千葉県勝浦水産事務所 改良普及課 庄司紀彦さん
「ブダイを高く買ってもらえないかと考えたが、なかなか磯臭い魚を喜んで買う人はいない。そんな中、県立大原高等学校の先生に相談したところ、生徒がブダイを使ったメンチカツを作ることになり、高校・県・市・漁協・漁業者・加工業者が連携して”ブダイメンチ”を完成させた」

 この”ブダイメンチ”は勝浦市と御宿町の学校給食で提供され、子どもたちに好評だったそうです。

千葉県勝浦水産事務所 改良普及課 庄司紀彦さん
「藻場のこと、海のことを知ってもらうきっかけになるので、ブダイだけではなくアイゴやイスズミなども料理に使って”磯焼け”に関心を持ってもらいたい」

「環境変化により魚が獲れたり獲れなかったりするが、安定して魚を獲るにはその変化に応じた漁業をしなければならない。そのためには、色々な技術を覚え先進地での新しい取り組みなどを入れながら、頭を柔軟にして漁業をやっていく。ただ獲るだけでは減ってしまうので、継続して獲れるような資源管理をしていかないといけないと思う」

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