LOVE OUR BAY! 海ごみゼロ! プロジェクト(一般社団法人 SAVE OUR BEAUTIFUL OCEAN)は、千葉県内のサーフショップ5店舗に、ごみ拾い専用の回収BOX「拾い箱」を2023年8月から2024年3月まで設置し、回収されたごみの調査を行った結果をまとめました。
この展開は、日本財団が推進する海洋ごみ対策プロジェクト「海と日本プロジェクト・CHANGE FOR THE BLUE」の一環で実施したものです。
今回「拾い箱」に回収されたごみは、サーフショップ周辺及び海岸で拾われたごみが殆どと思われます。
しかし、回収されたごみの内容や状態を見ると、約2割は拾われたごみというより、一般ごみをそのまま入れたと思われる状態で、残り約8割は砂が付着していたり、若干風化していたりなど、拾われた形跡が見られました。
2023年で「拾い箱」は3年目の展開ですが、初年度に設置したスーパーマーケットや公園では、一般ごみを入れられる割合が多く、殆どが一般ごみの場合もあった程でしたが、サーフショップでの設置は「拾い箱」の設置目的や活用方法の理解があり、初年度から一般ごみは少なく、今回の調査で数字でも明らかになりました。
ごみの分別についての調査では、拾い箱には「燃えるごみ」「燃えないごみ」「ペットボトル」「ビン缶」という4種類の分別でそれぞれのBOXを用意。
調査結果は「燃えるごみ」が90%、「燃えないごみ」は1%「ペットボトル」は6%、「ビン缶」は3%という割合でした。
「燃えるごみ」の中でもプラスチック片やビニール系ごみが多く、ごみ全体の約70%はプラスチックごみと言えます。(砂が付着したペットボトルはリサイクルが難しいため、燃えるごみのプラスチック扱いとしています)。
この結果からも紙系のごみは水に溶けたりなど残らないケースが多いのか割合は少なく、やはり残り続けるプラスチックが拾われるごみの大部分を占めることになり、改めて海洋プラスチックごみの問題を再認識することになりました。
今回の調査でビンや缶以外の「燃えないごみ」が非常に少なかったこと、また現状150cmの幅が設置場所を選ぶ上で懸念材料になっていることなどを踏まえ、今後の拾い箱は「燃えないごみ」を「ビン缶」と一緒の回収BOXにし、「燃えるごみ」「ペットボトル」「ビン缶・燃えないごみ」の3つの分別で「拾い箱」を設計することで拾い箱の幅を120cm程度におさえ、小規模店舗やスペースの狭いところでも設置しやすく改良していくことを検討中です。
今回、各サーフショップの担当者に聞き取り調査も行い、「雨のあと川からごみが流れてきて海岸のごみが多くなる」「相変わらず漁具のごみが多い」などと合わせて、海岸でごみ拾いを行ったインターナショナルスクールの団体が「拾い箱のことを調べて持ってきてくれた」などの報告もありました。
継続して展開していくことで、このような事例も増えて、積極的な活用も進んでいくのではないかと思います。