千葉県が持つ豊かで広大な海。ここで活躍する海のエキスパートがいます。
それが、千葉海上保安部の海上保安官です。
第三管区海上保安部 千葉海上保安部 千葉港長 稲田健二 部長
「私たち海上保安部は日々海の治安を守り、人命救助をはじめとする様々な海の事件・事故へ対応しています」
海で事故にあってしまった場合、救助をしてくれるのが海上保安官。巡視艇によるパトロールと救助活動を中心に、海の関わる業務を行っています。
10月下旬、市川市消防局主催の訓練に千葉海上保安部も参加しました。
原油を積載したタンカーが桟橋に衝突したことによる原油の流出や、タンカーの火災などを想定した、陸・海・空、一体となった合同消防訓練です。
千葉改造保安部の巡視艇は4機の放水銃を持つ船。最大毎分16800ミリリットルで放水する能力があります。
船の中には人が生活したり休息をとる居住区、貨物を積載する貨物艙など分かれていることから、まずは船のどの場所で火災が発生しているか確認することが大切です。
船が沈んでしまうと燃料となる油や荷物などが海に流出してしまい、漁業者や地域住民のみなさんに被害が及ぶおそれがあります。
また、沈んだ船が障害物となり他の船舶の航行に影響を及ぼす可能性もあるので発生した海域の状況や水深を考慮した消火活動が必要です。
令和5年3月館山港内において小型船が火災を起こし巡視艇が消火活動を行いました。
令和4年5月悪天候のため航行不能となった貨物船が、南房総市の沿岸に座礁した例もあります。
平成30年から令和4年までの5年間における船舶火災は、全国で313件。
また、火災だけでなく今年に入ってから千葉海上保安部管轄エリアでは、海の事故が43件発生しています。
意外に多い海の火災や災害。そして海での事故にもしも遭遇してしまったら一体どうしたらいいのでしょうか。
稲田健二 部長
「海の事故・事件が発生した場合には、海の緊急ダイヤル118番に通報をお願いいたします」
安全に配慮しながら、いざというときは118番。海に行くときは必ず覚えておきましょう。