海ではしゃぐ子どもたち。夏休み真っただ中の子の日、南房総市で1泊2日のサマーキャンプが行われました。
参加したのは松戸市内6つの「子ども食堂」に通う、小学3年生~中学3年生までの24人。キャンプ2日目のこの日は、ボディサーフィンなどを体験しました。
参加した子ども達はー
Q.経験してみてどうでしたか?
「サーフィンで滑るところが楽しかった、とても嬉しい」
Q.夏休みの中ではどのようなイベントだと思いますか?
「海にまだ入っていなかったから1番楽しい」
サマーキャンプを企画したNPO法人 Matsudo 子どもの未来 with us 代表理事 高橋 亮さん
「子ども食堂を松戸市で運営しているが、なかなか夏休みにいろいろな体験に家族で出かけるのが難しい家庭もある」
「一方で子どもたちにとって自然体験に限らず、さまざまな体験や大人と関わることは成長にとても必要なことだと実感している」
「子ども食堂単体でできにくいこと、家庭や学校で出来ないことを私たちのところで出来ないかと考えたのが今回の企画」
体験は子どもの成長にとって大切だと語るNPO法人の高橋さん。そして、こうした体験活動の重要性は専門家も強調します。青少年教育が専門で國學院大學・人間開発学部の、青木 康太郎 准教授に聞きました。
青木 准教授
「子どもたちにとって体験活動がどういう機会になるかというと、学校では感じられない自分の良さ・強み・才能などに気付く機会になっている」
「例えば学校は学びの時間や、やれることが限られているので、もっともっとやりたいと思ったところは、自分のやりたいこと頑張れることに出会ったり没頭出来る機会になったりする」
「そうしたところで自分の才能を伸ばしていく、良いところを見つけていくことに繋がっていく」
一方、子どもたちの体験を巡っては大きな課題も生じています。”体験の格差”です。
体験の格差解消など、教育支援に取り組む公益社団法人チャンス・フォー・チルドレンの調査によりますと、世帯年収300万円未満の子どものおよそ3人に1人が 、直近1年間に学校外の体験活動を何もしていないと回答しました。
世帯年収600万円以上の家庭と比べると2.6倍も高くなっています。この体験の格差については、青木准教授も大きな課題だと指摘し、さらにこう述べています。
青木 准教授
「いま課題意識に感じているのは、親御さんが子どもの頃に体験が少ない。親になってから自分の子どもに体験をさせる機会が少ない」
「その子が親になった時に、自分の子どもに体験をさせる機会が少ないということが起きると、”体験格差の再生産”が起きているのではないか」
「そういったところを改善していくには、より教育的な、いろいろな団体が行っている活動に参加するような機運を作ることが大事になってくる」
体験の格差を解消するにはどのような取り組みが必要なのか、県内で体験の格差解消に取り組む団体(公益財団法人ちばのWA地域づくり基金 事務局長 志村 はるみ さん)にも聞いてみました。
志村さん
「子どもたちが学校でもない、家庭でもない居場所が地域にあること、その地域でさまざまな体験が出来ること」
「食事を皆で一緒に作って食べるとか日常的な体験から特別な体験、例えば皆で出かけるとか、近くの公園に皆で行くという経験が必要ではないか」
「それを支援・見守る大人たちが、子どもたちに経験させる環境を作っていくことが大事ではないかと思う」
最後に子どもたちに体験をとサマーキャンプを企画したNPO法人の高橋さんにこんな質問をしてみました。
Q.子どもたちにこの経験をどう活かしてほしい?
高橋さん
「それぞれの子どもたちが、こうしたいとか、こう思わせたいとかは一切思っていない。それが体験の重要性」
Q.楽しかったという思い出が残るのが一番?
高橋さん
「そうです。まずはそこですね」
(newsチバ 2023年8月21日 放送分より)