ITを活用して「離岸流」の発生を検知するという世界初のプロジェクトが御宿町で動き出しました。御宿町は4日、産官学の共同事業体を組織しIT活用で離岸流の発生を検知する世界初の実証事業を始めると発表しました。
離岸流は海岸の波打ち際から沖合に向かってできる強い流れのことで、御宿町の海難事故の約7割が離岸流に起因するとされています。このため、町は遊泳客にとって安心・安全な海辺を実現することで地域の活性化を目指そうと、先進的なITを活用した離岸流の検知システムの実証に乗り出したと説明しています。
システムは専用のカメラで撮影した静止画から海水の色彩の変化を解析して離岸流の発生を検知するもので、そこで得られた情報はライフセーバーが装着する時計型のウェアラブル端末に送信されます。そして、遊泳客に対しても海岸に設置されるデジタルサイネージなどを通じて注意喚起を行うということです。
御宿町 石田義廣町長「海難救助に関して御宿町は大きな歴史を持っている。町で離岸流の研究が進められ、しっかりと成功に導かれ、全国の海水浴場や世界の海岸に情報が発信されると期待している」
実証事業は7月下旬から町の中央海水浴場で本格的にスタートし、町は必要なデータを集積した上で今年度中にはシステムの完成に漕ぎ着けたいとしています。