政府がIWC=国際捕鯨委員会からの脱退を通告したことを受け、森田健作知事は27日、脱退に伴う世界的な影響への懸念を表明した上で、今後の動向を注視する考えを示しました。政府は27日、IWC側に脱退を通告し、商業捕鯨を再開する方針を打ち出しました。
これについて森田千葉県知事は、現段階では「具体的な内容が示されていない」として、「国にしっかりとした方向性を示してほしい」と注文しました。
また、「おいしくクジラを食べられるのなら歓迎だが外交もある」と述べて脱退についての賛否は明言せず、捕鯨に対しても「日本人の感覚と世界の一部の人の捉え方に相当の差がある」と指摘し、国際世論との温度差に懸念を示しました。政府は江戸時代からクジラ漁が続く南房総市を商業捕鯨の拠点として想定しています。
地元でIWCの管理対象外となっているツチクジラを捕獲し、クジラ肉の販売や捕鯨文化の伝承に力を入れてきた外房捕鯨の庄司義則社長は「漁獲量が増えて地元産業が盛り上がれば地域が活性化する。地域に根差した食文化を守りたい」と強調しています。
しかし、今後国際的な非難が高まる恐れも指摘されていて、国際社会に日本の立場をどのように説明するのか、国による慎重な対応が求められます。